- TOP>
- 調査研究一覧>
- 旧東北開発研究センター調査研究一覧>
- 豊かさが語る東北の魅力(報告書編)~調査の目的・手法~
1. 目的
近年において人々の価値観の多様化が大きく進展し、その中で経済的豊かさよりも心の豊かさを重視するという価値観の変化の傾向が一層鮮明になってきたのを背景に、東北自身も自ら明確な価値観を持つ必要性がかなり高まってきたことから、東北地域そのものが持つ「真の豊かさ」を探り、東北の現在だけでなく、将来に向けた可能性を含めて評価することを目的としている。
2. 手法
これまでの日本においては、「豊かさ」を捉えるため主に各種の経済指標が用いられ、政府が従来からの「国民経済統計」に加えて、「新国民生活指標(PLI)」、いわゆる「豊かさ指標」を開発した段階で、生活統計体系の指標が用いられるようになった。
しかし、「指標」として表す以上、依然として統計に依存せざるをえず、統計で語られない豊かさについては、ふれられることがなく、そもそもの目的である「真の豊かさ」への切り込みが不足するという制約があった。
そこで、本調査では、「東北の豊かさ」は、地域住民の帰属意識と地域が持っている地域資産とにより、どのような社会的役割が担えるかという観点から求められるものであるという考えに基づくことにした。具体的には、下記の公式を措定し、これを検証の第1ステップとしている。
●東北の豊かさ=地域住民意思(住民アンケート)×地域資産(地域資産調査)
ただし、東北の地域住民に対し、「東北の豊かさ」をデータに基づき説明するだけでは無味乾燥な事実の羅列に止まる恐れがあり、住民の実感が得られにくいと思われる。
そこで、本調査では検証の第2ステップとして「物語化」の方法を取り入れた。
具体的には本調査の委員各位によるテーマ別報告である。「東北の豊かさ」は最終的には「語り」として表現され、住民の間で「語られる」必要があり、「豊かさの語り部」が東北で無数に誕生することこそ本調査の最終目標なのである。